○○ビエキス
今は無き 近所のカラオケスナックに 名物マスターがいた。
マスターには、あだ名がついていた、〔ふぎだヌギ〕だそうだ。
カンカンの従業員(きーち)がつけたのだが、それを聞いて「なるほど」と思った。
マスターは 自分の名前(営業名)を 頻繁に変える。
知り合いに霊感の強い人がいるらしく、その人の感化か易学に凝っているらしい、
名刺をよこすが、なにやら難しい文字が並んでいた、だが、一回として記憶にない。
読めない字で覚えられない 難しい字だし、だいたい「マスター」としか呼ばないし。
そんなマスターが店の裏で ノコギリで材木をカットし、店内を改装し始めた。
店の名前も 大忠(だいちゅう)に変更した。
屋号を変更したら、「御近所なので店に顔を出さなくては」となる。
内容はほとんど変わらないが、マスターは新規開店した店と思っている。
従業員(武本と、きーち)を連れ、カンカンの親睦も兼ね 大忠でカラオケ。
カラオケ大好きなマスターは 私たちが飲んでいるときにも勝手に唄う。
積み上げてある 私の百円玉が ドンドン マスターの手により機械に入る事になる。
「マスター、一杯やる?」と酒をすすめれば、またマスターのコップの大きい事、(取っ手がついている)。
そこにウイスキーを「ドボドボ」注ぐと、ひと言、「何回も もらうのめんどくせーからヨー」と来る。
私がカラオケを歌っていると 「もっとこーゆう風に歌うと良いよ」と途中からマスターが歌いだす
私の歌は 俗に言う「ヌカミソが腐りそうな歌」だが、マスターも決して上手くない。
私に 発声練習の指導を し始めた、「あー、あー、あー、あー、あーッ」 「あーッ」
「はい、はい・・・」 中々 憎めないマスターである。
また 社交ダンスが得意で、女性にもてる?
普段は いない 女性が時々店にいる、そんな日に行くときは要注意。
いきなり 入って行ったときに
今日は「山ちゃん」と呼ばれていた女性がいた。 (まずい時に来た)
おばさん用ゴム入りパンツをはいた女性が カウンターの中から出てきた。(なっ、なんだ?)
ジャジャ〜ン出ました〜初降霊? 「山ちゃんドェデ〜ス」 「い、らっしゃいませ〜」
(あーらら 山ちゃんのパンツ(ズボン)のセンター狂って、パンツが右によじれて はいてる)
マスターもカウンターから出てきた、(いまさら店を出るわけには行かないぞ)
お決まりのウイスキーと氷をもらい 飲み始めた(山ちゃんがテーブルに来ちゃった)。
その山ちゃんを紹介されるが、歳は50過ぎのおばちゃんで、こちらが床屋さんと判ると・・・
「私もワイパー掛けに行こうかしら」と取りつくろっていたが・・・(ワイパーは車で かけるやつだろ〜)
まずは 俺たちに笑いのジャブかました、面白いので喋(しゃべ)らしておいた。
お望みでなくても 山ちゃんにワイパー掛けてあげたい。(顔に)
その後 山ちゃんは アレっきり見ない。
話は飛ぶが、ある時 神奈川県に台風直撃、車のワイパーが効かない位の大雨。
茅ヶ崎市の管理する 排水ポンプのスイッチが入ってなく、川の増水と共に、道が冠水してきた。
カンカンの店に水が入ってきた(カンカンカン水)、店のドアにタオルで目張りをし、水が入らないようにした。
道が冠水すると 色んな物が流れてくる。
カンカンの前の道に ゴミやおもちゃ、材木の切れ端、面白いのはカボチャが流れていた。
この辺はまだ 汲み取りの便所が残っている、心なしかトイレットペーパーらしき物も 茶色い水の中で 漂っている・・・
マンホールも溢(あふ)れているから 水洗トイレの汚物も出てきてるはずだ・・・・「おぇっ・・」ゴメンなさい
店の裏は水が来ていないので、そこから 水のない所まで お客さんを おぶって帰ってもらった。
(あとで聞いたら、自分の家の前で ヒザまで浸かったそうだ、おぶった意味なかった)
水をすくい取り、流しの排水溝へ、おかげで店内の一部が 水に浸かっただけですんだ。
水が引き 被害は 軽い浸水だが、電話が不通だ こまった。
(茅ヶ崎市からは あとで何もない、kankanに被害を聞くでもない。)
隣りに魚の加工屋が有ったが、そこの冷蔵庫のモーターが浸水で故障、そのとばっちりが回りまわってカンカンに来た。
(そのうち 説明しましょう、全部ばらすと、また怒鳴り込んでくるかな?) 清水
片付けをしていると 大忠のマスターがビールを差し入れてくれた、やさしいマスターの一面でもある。
次の日、道路は大変、泥だらけ、ゴミに交ざり、流れていった カンカンの玄関マットも泥の中にあった。
その隣りに あの、カボチャも泥だらけでゴミと一緒になっていた。
仕事が終わり、大忠に差し入れのお礼方々、飲みに行くと、待ってましたとマスターの顔に書いてある。
いつもの ウイスキーと氷をもらう、今日のお通しは「かぼちゃ」だそうだ・・・(カボチャには縁がある)
「出てきたカボチャさん・・・・、何所かでお見かけした お姿をしていらっしゃる・・・」
緑の中のくぼみ部分には、鮮やかな黄色い部分・・・「このカボチャは まさか・・・」
「カボチャさん、君は水の上を 旅して来なかったかな〜ァ?」・・・
「・・・カボチャ君、キミ似てるね〜・・??」
大忠をでて、まだゴミが集まっている道路わきを見ると、泥に カボチャのあとだけが クッキリ付いていた。
「カボチャの本体ヤ〜イ」 何となく・・・腹の中から「ハーイッ カッボちゃー どぇ〜す」と聞こえそう・・・
やるなーマスター憎めない・・・(訳ねーだろ やりやがったな 「ふぎだ ヌギ」)シッカリ食べさせられたぁー!
それから 大忠には あまり行かなくなってしまった。
しかし、また店の裏で ギ〜コギ〜コと大工仕事をしているマスター発見。
しばらくすると また屋号が変わっていた。
今度は「トリックス」・・・(えっ・・・良いのか・そんな名前で・・・) 霊能者にだまされたような 名前がついていた。
知らん振りも出来ない、「また行かなくては・・・」 DIYで 改装するマスターが 怖い・・・
だが、今回は良い考えがある。
カンカンの話題提供者 NO,1の拓斗くんは マスターと犬猿の仲、面白いから 拓斗を連れて行く事にした。
拓斗と、従業員のきーちと、武本も一緒に連れて行き トリックスで カウンターに座る。
すぐに始まる 拓斗とマスターのバトル 「始まっちゃったー!」 「うふっ!」
拓斗「店長(私の事)、この お通し これ一つ500円しますよ」と、小あじのから揚げを1匹持ちながら
マスターに聞こえるように ジャブを放つ。「きたきたきた!」
マスター「拓ちゃん もー飲んでるの」 (ご察しの通り!カンカンで駆け付け3杯は入ってる)
ほろ酔いでも 拓斗は 何言い出すか判らん。
「焼き鳥1本百円が(品物の)名前で 1本300円位しますよ」 (聞こえないふりのマスター、今洗い物)
マスター「友達元気?」(話の方向を変えようとするマスター)
拓「あなたに 友達の事いわれたくないですよー」
マスター「何も言ってないよー」
「まー マスター 飲んでよ」 私が割って入り ウイスキーのボトルを上のカウンターへ置く。
マスターは割らない、水は入れずに 私のウイスキーを ドボドボと(また出てきた マスターのジョッキ!に)自分で 入れた。
拓斗の話を後で聞いたら、友達の就職先をけなしたらしい、マスターとしてはアドバイスだった様だが。
あの後も 拓斗とマスターは 言い争っていたが、「おひらき」の号令をかけた。
かなり拓斗は酔っぱらっていたが、「面白いから また連れてこよ (^。^)V」
ちなみに 屋号のトリックスは 「焼き鳥を始めたから 付けたかも」と武本が推理していた。
武本の推理によると、「焼鳥の串から来てる」そうだ・・・ 一理あるかも、だとしたら そーとー「安易」。
「エッ わからない?」 つまり、焼鳥串→トリクシ→トリックシ→トリックスなんだろな。(感心しないように!)
私は、てっきり、お客をだます trick(トリック)から取ったと思っているのだが・・・・。
今回の助言者は、どこの易者か霊能者か 「マスター好きだからなぁ〜」「あぁ 助言者の顔 観てぇーー」
(残念な事に 助言者が霊能者か易者か 聞き逃していた)
興味ないからな・・(おだむどーだったら笑えるけど)
更に、(ふぎだヌギ)の説明がされてなっかったので、説明しよう。
トリックスの裏に 駐車場があるが、そこのブロック塀の際(ぎわ)に フキが生えていた。
ある日 従業員(きーち)が店に来た時「フキの葉がゆれている」と思って見た時、
フキが生茂っている中に、目の周りが黒い マスターの顔が見えた、きーちは、完全に狸(たぬき)に見えたそうだ。
つまり〔ふぎだ ヌギ〕は(ふぎだ)と(ヌギ)ではなく、(ふき)と(狸)と言うことだ。
どおりで、きーちと武をトリックスに連れて行ったとき、お通しがフキの時は食べないと思っていた。
そこに生えていたフキは、かなり栄養のいい 太いフキだった。
他の飲み屋さんも 同じ駐車場を使っているが、そこのお客さんが夜 ブロック塀に立ちショーベンをしている所を よく目撃していた。
いや、立ちショーベンだけではない、酔っ払いが 食べた物を柔らかくしてから リバースしていた。
そんな 栄養豊な大地ですくすく育ったフキだ、細いわけがない、おまけにブロック塀の向こうは墓だ。
まさか、墓の中の栄養まで吸収していないかぁ?だとしたら・・・・ゾンビエキス入り?
(だとしたら、私はゾンビになってしまうかも)
さすがマスター、軽くアンモニア臭のあるフキを シッカリ私に食べさせていた。
これに関しては きーちと竹本もぐるだ!
汚水に浮いていた かぼちゃと言い・・・・毒ッ気のある ワイパー好きな山ちゃん(女性)の接待と言い・・・
毎回微妙に違う料金と言い・・・ 面白いと言っちゃ〜面白い?か、ね・・・。
なかなか無いよね、こんな(面白い?)マスターがいた店、なんだかんだ 面倒見がよい 面白いマスターだった。
今は無き名物マスターの店・・・・(残念だが)・・・けっこう楽しかったマスターがいた店だが、
今は完全に店をやめてしまい 残念だ。
マスターと何があったのか 迷惑オヤジとのバトルも面白かった。
確か ゴミの出し方でもめていたが 迷惑オヤジの話は別記載してます。
(登場人物は仮名です)